AIさま

「AI婚活」とやらがあるらしい。
なにやら、結婚相手をAI(人工知能)に決めてもらうそうだ。この事業には婚活支援事業として政府の後押しもあるらしい。少子化を食い止める狙いもあるとか。学歴、年収、趣味、価値観、希望条件に当てはまる相手をマッチングさせるのにAIの力が発揮されるそうだ。

森山直太朗の曲に「群青」という曲がある。サビでは「Hey Siri」とよびかけている。
「僕の悩みを聞いておくれよ」「誰にも言えないことなんだ」「元気になれる食べ物なあに」と、Siriに尋ねている。

ちなみに、”群青”という曲のタイトルは、「Hey Siri ところで君はどんな気分だ?」と尋ねたときの回答らしい。「少しブルーです。正確には群青色です」と答えるそうだ(他のバージョンもあるらしいが…)

先日、クロネコヤマトに荷物の集荷を依頼の電話をした。以前はコールセンターの「お姉さん」に繋がった。その日は「AI」の対応だった。少し前から変わったようだ。

クロネコ「AIガ ウケツケマス。ニモツ ノ シュウカ デスカ?」
森「(ええっと、どうすんだろ?💦プッシュボタンを押すのかな?)」
クロネコ「キキトレマセン デシタ。ニモツ ノ シュウカ デスカ?」
森「ああ、そうです。荷物の依頼です。(普通に話せばいいのか…(;´Д`))」
クロネコ「ハイ カ イイエ デ コタエテクダサイ。ニモツ ノ シュウ カデスカ?」
森「(余計なワードは入れてくるなと…)はい!」
クロネコ「ジュンバンニ ウカガイマス。」

AI様の前でタジタジになる自分が、なんとも情けなく感じる…。おそらく、クロネコはかなりの人件費削減が実現したのだろう。

AIは様々な仕事にとって代わるといわれている。薬剤師もその一つ。薬剤師は国家資格を取得する仕事でありながら、AIに代替可能といわれている。受付、処方せんチェック、AI様のご活躍の可能性を秘めている。しかし、どうだろう。

患者さんに向かって、AI薬剤師がかぶせるように「ハイ カ イイエ デ コタエテクダサイ」と言ったら、患者さんはどんな気分になるだろうか。「少しブルーになる」のではないだろうか…(笑)

AI様のご活躍になんだか滑稽だと違和感を感じるのは私だけではないはずだ。確かに調剤室には今後ロボットが台頭してくるのは間違いない。しかし、患者さんの話を聞き、相談にのり、少しでも安心して治療に臨めるようにサポートする存在がAIでよいのだろうか。温かい人間のぬくもりや笑顔が必要なのではないだろうか。

今は、薬剤師不足が続いているが今後はわからない。その時に重要なのは「ハートのある薬剤師」ではないだろうか。私は日々やせ我慢をしながら、そんな薬剤師との出会いを待っている。